遠いところ映画のネタバレあらすじは?結末ラストに描かれる未来とは?

この記事では沖縄の現実を描いた映画「遠いところ」のネタバレあらすじをご紹介しています。
また、結末ラストで描かれる未来についても考察してみました。
沖縄で先行上映され、7月7日より全国で公開される映画「遠いところ」。
工藤将亮監督が取材を重ね完成したこちらの映画は、楽しい観光地の沖縄というイメージを覆す、沖縄の厳しい現実を描いた作品となっています。
今回はその映画「遠いところ」のネタバレあらすじをご紹介し、ラスト結末で描かれる未来はどうなるのかについて考察していきます。
Contents
映画【遠いところ】ネタバレあらすじは?
昨夜から目覚めては考え、
— 西仲美咲 沖縄ジャズフルート (@misakinishinaka) June 11, 2023
また夢の中でも考え…
'遠いところ'の余韻が
今日は家族で
この映画の意見を交換
沖縄のキラキラした観光
癒しとか…
そんな印象を超える現実
わたし、沖縄が大好きだから
ウチナーンチュだから
絶対に目を背けない
と、決めた#遠いところ pic.twitter.com/CpnjVJQxHT
映画「遠いところ」は、監督が3年の構想を経て独自に取材を行い、沖縄のリアルを追求した作品となっています。
先行上映を観た人たちからは「救いがない」「考えさせられる」などの声が多く聞かれました。
そんな「遠いところ」とはどのような作品なのでしょうか?
キャストとネタバレあらすじをご紹介していきます。
映画「遠いところ」のキャスト
映画「遠いところ」の主なキャストはこちらです!
アオイ(花瀬琴音)
17歳。夫と息子との3人暮らし。
生活を支えるためキャバクラで働く。
マサヤ(佐久間祥朗)
アオイの夫。
建築現場で働いていたが辞めてしまう。
健吾(長谷川月起)
アオイとマサヤの幼い息子。
海音(石田夢実)
アオイの親友。
アオイと一緒にキャバクラで働く。
おばあ(吉田妙子)
アオイの祖母。
映画のリアリティを追求するため、製作チームは配役にとてもこだわりました。
今回映画初主演となる花瀬琴音さんをはじめ、あまり顔が知られていない俳優を起用するために新人やデビュー間もない俳優を中心にオーディションを進めたといいます。
主役の花瀬さんは撮影の1ヶ月以上前から現地で生活し、東京にいる家族や友達とも連絡を絶つという役作りを行ったそうです。
その甲斐あって映画を観た方々からは「リアルで良かった」「役者陣のリアリティある演技がすごかった」などの声が上がっていました。
映画「遠いところ」のネタバレあらすじ
『#遠いところ』
— 映画『遠いところ』7.7(金)公開・6.9(金)沖縄先行公開 (@afarshore_jp) June 10, 2023
沖縄先行公開中
■―――――――■
"胸を突かれる衝撃"
若くして母となった少女が、
連鎖する貧困や暴力に抗おうともがく
日々の中でたどり着いた未来とは。
🎬沖縄
シネマQ
ミハマ7プレックス
シネマプラザハウス1954
公開中#花瀬琴音#石田夢実#佐久間祥朗#工藤将亮 監督 pic.twitter.com/fqPvq358jE
では、ここから映画「遠いところ」のネタバレあらすじをご紹介していきます。
沖縄県沖縄市コザに住む17歳のアオイは、夫のマサヤと2歳の息子・健吾との3人暮らし。
近所に住む祖母に健吾を預けて朝までキャバクラで働き生活費を稼ぐという毎日を送っていました。
夫のマサヤは建築現場で働いていましたが、仕事への不満を募らせ辞めてしまいます。
1人で働き家計を支えるアオイ。
マサヤは仕事を探すこともなくアオイに金をせびり、挙句の果てに暴力まで振るうようになっていきました。
生活が苦しくなっていく中、アオイが働くキャバクラに警察による風営法の家宅捜索が入ります。
他の未成年の従業員とともに店から逃げ出すアオイでしたが、警察に捕まってしまいます。
アオイが警察から解放され家に戻ると、マサヤがなけなしの貯金を持って姿を消していました。
キャバクラで働けなくなったアオイは、マサヤに殴られあざだらけになった顔で次の仕事を探しますが、うまくいきません。
未成年のアオイが再び水商売で働くことは難しく、学歴も職歴もないアオイにできる仕事はありませんでした。
頼れる親もいないアオイは、息子の健吾を連れてマサヤの母・由紀恵を頼ります。
そんなとき、マサヤが暴力事件を起こし逮捕され、多額の示談金が必要になったという連絡が入ります。
仕事がなく困窮しているアオイに、知り合いのキャバクラ店長がある仕事を持ちかけます。
それは「売春」でしたーー。
売春で稼ぐしかなかったアオイは忙しさから健吾のめんどうを見ることができず、育児放棄のような状況に陥ってしまいます。
児童相談所によって健吾と引き離されたアオイがとった行動とはーー。
映画【遠いところ】結末ラストに描かれる未来とは?
「遠いところ」
— わすちゃa.k.a. Lantana (@wascshacordante) June 12, 2023
アオイの友達、海音(石田夢実さん)
彼女の真っ直ぐな視線。その先にはアオイがいる。
悲嘆や同情、傷の庇いあいじゃない。
脆く哀しみの真っ只中に置かれた二人。
彼女が側にいる、私にとってそれが映画で見出した唯一の希望。
今も石田さんの演技が胸に突き刺さる。#遠いところ pic.twitter.com/Ubfvt4PUTX
映画「遠いところ」のプロモーションでよく出てくるのが「未来」という言葉です。
厳しすぎる現実から逃げることもできないアオイが最後に選んだ未来とはいったい何なのでしょうか。
先行上映を観た方のコメントやレビューなどをヒントに考察していきたいと思います。
映画「遠いところ」の口コミ感想
映画を観た人たちからは以下のような感想が聞かれました。
結末ラストに関わる口コミやコメントを、一部抜粋してご紹介します!
「切ないラストシーン」
https://filmarks.com/movies/103663/reviews/154333132
「最後はどうかこっちに戻ってきてほしいと祈るような気持ちで見ていた」
https://filmarks.com/movies/103663/reviews/154333132
「ずっとずっと、先の見えないトンネルを歩いているような作品。
どうか、かすかな光が射してほしいと願いながら。」
https://filmarks.com/movies/103663/reviews/154333132
「彼女を待ち受けているのは、さらなる絶望とかすかな希望だ」
https://afarshore.jp/
「溝口健二な現代悲劇」
https://afarshore.jp/
口コミからもわかるように、どうやらこの映画はハッピーエンドではなさそうです。
私が気になったのは最後に紹介したレビュー。
「悲劇」とはっきり言っていますね。
さらに溝口健二とは大正から昭和初期にかけて活躍した映画監督です。
彼は作品の中で、封建的な社会や男性の犠牲となる女性をリアルに描き続けました。
映画「遠いところ」は、男女平等が当たり前になった現代に今なお根付く“女性の生きにくさ”をあぶり出した作品とも言えそうです。
映画「遠いところ」の結末ラストで描かれる未来
この作品のラストがどうなるのかは想像するしかありませんが、どうやらハッピーエンドではなさそうです。
タイトルの「遠いところ」とはどこなのかと考えたとき、思い浮かんだのがふたつ。
ひとつめは物理的な「遠い場所」、つまり沖縄以外のどこかです。
沖縄を出て、どこか遠くで新しい生活をスタートさせる。
これは少し希望がありそうな未来ですね。
ふたつめは現実ではない「あちらの世界」。
アオイが死を選ぶ未来です。
これは本当に、切実に、避けてほしい結末ですよね。
子どもと言っていい年齢で出産し、キャバクラで違法に働き、夫から暴力を受け、幼いわが子を抱えながら必死で生きるアオイ。
「もっと救われる手立てがあったのでは」と思うかもしれませんが、17歳のアオイにとってはそれが「普通」で、他の選択肢はなかったのです。
この悲劇を生んだのは社会なのか、それともアオイ本人なのか。
どちらが悪いと一言では片づけられない問題が、背後に大きく横たわっているように感じます。
まとめ
2023年7月7日公開の映画「遠いところ」のネタバレあらすじをご紹介し、結末ラストで描かれる未来についても考察してきました。
物語のあらすじは、アオイという少女が貧困、DV、売春などの社会問題に必死に立ち向かって生きていくというものです。
彼女の境遇は決して大げさなことではなく現代の沖縄で起こっているリアルであり、誰がアオイのような少女たちを救えるのか、救うにはどうしたらいいのかを考えさせられる作品となっています。
どうしようもなくなったアオイがどのような未来を選ぶのか、ラスト結末がとても気になりますね。
映画「遠いところ」のネタバレを調べながら、一人ひとりができることは限られるかもしれないけど、まずは「知ること」が大事なのかなと筆者は感じました。