うまれる映画のいじめは実話?旭川の事件をモデルにしてるって本当?

映画『うまれる』が2023年6月23日に公開されることで、この映画が 実話に基づいているのではといわれています。
この映画の内容は、いじめを苦にした小学生が死に追いやられたとしてその母親が復讐するという衝撃的な内容です。
このあらすじが、実際に北海道旭川市の中学校で起きたいじめによって凍死した女子中学生の事件がモデルになっているのではというのです。
公開された時期も、丁度この事件発生後、まだメディアで取り上げられているときでもありましたので、余計に題材にしていると感じた人が多かったでしょう。
今回は、映画『うまれる』が実話であるのか?
いじめが題材なのは、旭川の事件がモデルになっているのかを探っていきたいと思います。
Contents
うまれる映画のいじめは実話?
映画『うまれる』は、いじめが原因で一人娘を失った母親が饒舌な復讐をするという衝撃的な内容で、公開前から話題になっている映画です。
映画とはいえ、いじめを苦に自殺というのは残念ながら現実にも多々起こっていることで、そのたびに教育委員会や政府で議論が繰り返されています。
今回の映画で2021年に起こった北海道旭川でのいじめによる凍死事件がモデルになっているのではといわれているのです。
果たして、この映画はこの事件が題材になっているのでしょうか。
この映画を製作した監督のコメントも、探してみました。
映画監督が旭川事件を知り制作
今回の映画でメガホンを取ったのは、なんと通常は楽しくて面白い映画ばかり撮っているという田中聡監督です。
田中聡監督は、2021年に行われた「第4回広島こわい映画祭」で、みごと観客賞グランプリを受賞しました。
映画『うまれる』の製作にあたり、旭川での事件がモデルになっているかについては、田中聡監督がこう語っています。
「うまれる」は旭川でおこったいじめ事件のニュースを見て「もし自分のこどもが同じような目にあったら、自分の怒りのやり場はどこにあるのか」と考えたことから制作に至ったそうです。
引用元:https://www.excite.co.jp/news/article/Prtimes_2021-12-14-51586-75/?p=3
やはり、監督もこの実際に起こった旭川の事件がきっかけになっていたのですね。
実際に制作した映画は、いじめによって娘を失った母親が復讐するという衝撃的な内容でした。(実際に起きた旭川の事件では、母親が復讐した事実はございません)
復讐というのは、日本では犯罪にあたります。
そのため映画では、復讐したいけどできない理性と感情の狭間で揺れ動く母親の心情が如実に描かれているのです。
過激な描写ながらも子どもへの愛情、やるせない哀しさがこの映画には出ているでしょう。
旭川の事件とは
この映画のモデルとなった北海道旭川市で起きた事件とは、どのような事件だったのでしょうか。
この事件は『旭川女子中学生いじめ凍死事件』として、当時大きく報道されました。
- ・事件の発生は、2021年2月
- ・女子中学生が通った中学校は「旭川市立北星中学校」
- ・2019年4月同中学校に入学してまもなく、数人の男女からいじめをうける
- ・数人の男女から「裸の動画送って」「写真でもいい」「お願いお願い」とLINEメッセージで脅迫される
- ・女子中学生は恐怖を感じ、自身のわいせつ画像を当該男子に送ったところ中学生のLINEグループに拡散される
- ・後日呼び出され自慰行為の強要・ウッペツ川への飛び込みなどいじめが激化
- ・女子中学生は2019年9月に引っ越しするも、いじめによるPTSDを発症しており、2021年2月に失踪するまで入院、通院しながら一般社会との関係を断って生活
- ・2021年2月13日・女子中学生は氷点下17度の夜に家を飛び出し行方不明、その後3月23日に公園で凍死状態で遺体が発見される
どうしてここまで執拗にいじめを受けることになったのでしょう。
被害者の女子中学生がうけた心の傷を想うと、なんとかしてやれなかったのか、どうすることが最善だったのか。
まさに映画『うまれる』でも、それを改めて考えさせられる構図になっています。
旭川の事件をモデルにしてるって本当?
映画『うまれる』の監督は、この映画で脚本も手掛けた田中聡さんです。
プロフィールを見てみましょう。
本名 | 田中聡(たなか さとし) |
出生年 | 1976年 |
出身地 | 愛知県 |
職業 | CMディレクター |

出典元:http://toge-toge.com/umareru/
主にCMを中心としており、プロモーションビデオや短編映画などの監督作品も多数手掛けています。
CMで国内外の多数の広告賞を受賞しました。
前述しました通り、この映画の製作はまさに旭川の事件を見た田中聡監督が「自分の子供だったらどうするか」と考えたことがきっかけとなりました。
これは、映画を観た多くの人が感じた感想だったでしょう。
映画はモデルだが監督が伝えたかったこと
旭川の事件がモデルになっているといえるかもしれませんが、内容が内容だけに単にあの事件から映画のネタを仕入れたみたいには思ってほしくないでしょう。
シビアな問題ですから、題材にするならこの映画を作った意味というものも監督にはあったと思います。
旭川の事件を知ったとき、監督は「自分の子供が同じような目にあったら、自分の怒りややり場はどこにあるのか」を考えたことが映画製作のきっかけだったといいました。
この「自分の怒りややり場はどこにあるのか」というところが、キーワードになるでしょう。
実際、映画の中に加害者側の親と被害者の親が学校で話し合いをしているシーンがあります。
このシーンだけでも、かなり饒舌なののしり合いが展開されていました。
当事者となってしまった被害者の母親の怒りのやり場が、そこにはあったのでしょうか。
おそらくこのシーンは、その答えを見せているわけではないと思います。
そこにはきっと「あなたなら、どうしますか?」という場面なのでしょう。
実際にこの映画のポスターには、こんな言葉があります。
質問です。
あなたの子供がいじめで殺されたら復讐しますか?
監督が伝えたかったこと、この映画を観て考えてほしいということだったのではないでしょうか。
うまれるのまとめ
今回は、2023年6月23日公開の映画『うまれる』について、実話だったのではという疑問を探ってみました。
いじめで我が子を失うという衝撃的な事件がきっかけに、かなり過激なシーンもあるといわれます。
この映画のあらすじから、実際に北海道の旭川で起きた「旭川女子中学生いじめ凍死事件」がモデルになったのではといわれたのです。
実際に映画『うまれる』を製作した監督は、実話を知って「もしも自分の子供だったら」と考えたことがきっかけだと語っていました。
旭川の事件がモデルにはなっていますが、監督がこの映画を通して改めて考えてほしいことをこの映画では訴えていると考えられます。
あなたも是非、映画を観て考えてみてください。