福田村事件ネタバレ映画のあらすじは?事件の内容をわかりやすく解説

この記事では、映画「福田村事件」のネタバレあらすじをご紹介するとともに、実際の事件の内容をわかりやすく解説しています。
関東大地震の直後、1923年9月6日に起こった福田村事件。
今まで明らかにされることなく歴史に埋もれていたこの事件を、数々のドキュメンタリー作品を生み出してきた森達也監督が映画化しました。
映画「福田村事件」のネタバレあらすじを、映画のキャストともにご紹介していきます。
後半では実際の事件をわかりやすく解説していますので、そちらもご覧ください。
Contents
映画【福田村事件】ネタバレあらすじは?
9/1公開の『福田村事件』が素晴らしい力作。映画で描かれている事件が100年前というのが信じがたいほど画面内のすべてがいま。偏見・差別、同調圧力による排除、流言飛語(デマ)による情報の錯綜に民主主義という幻想。知識を知恵に変えるには歴史から学ぶしかない。そして俳優が隅から隅までいい。 pic.twitter.com/7v1xfDr54t
— 折田 侑駿/Yushun Orita(おどる文筆家) (@y___shun) June 23, 2023
「福田村事件」は今から約100年前の1923年9月、関東大震災のときに起こった実際の事件です。
映画「福田村事件」は、この実際の事件を題材にして制作されましたが、作品のネタバレあらすじやキャストが気になるところです。
では、映画「福田村事件」のキャストとあらすじをご紹介していきますね!
映画【福田村事件】のキャスト
映画の主役となるのが澤田智一・静子夫婦。
この2人を演じるのが俳優の井浦新さんと田中麗奈さんです。
そのほか、永山瑛太さん、東出昌大さん、松浦祐也さん、コムアイさん、向里祐香さん、カトウシンスケさん、木竜麻生さん、杉田雷麟さん、ピエール瀧さん、水道橋博士さん、豊原功補さん、柄本明さんが出演します。
それぞれの役どころはまだよくわかっていないのですが、予告動画から推して永山瑛太さんは行商人を演じられるようです。
また、東出昌大さんと松浦祐也さん、豊原功補さんは村人役かな?と推測しています。
いずれにしても凄い俳優陣が揃っていますよね!
誰がどの役を演じるのかも見どころのひとつとなりそうです。
映画【福田村事件】のネタバレあらすじある?
以下に「福田村事件」のあらすじを、映画情報サイト「映画.com」より引用してご紹介します。
澤田智一(井浦新)は教師をしていた日本統治下の京城(現ソウル)を離れ、妻の静子(田中麗奈)と共に故郷の福田村に帰ってくる。
智一は、日本軍が朝鮮で犯した虐殺事件の目撃者であった。
しかし、妻の静子にもその事実を隠していた。
同じころ、行商団一行が関東地方を目指して香川を出発する。
9月1日に関東地方を襲った大地震、多くの人々はなす術もなく、流言飛語が飛び交う中で、大混乱に陥る。
そして運命の9月6日、行商団の15人は次なる行商の地に向かうために利根川の渡し場に向かう。
支配人と渡し守の小さな口論に端を発した行き違いが、興奮した村民の集団心理に火をつけ、阿鼻叫喚のなかで、後に歴史に葬られる大虐殺を引き起こしてしまう。
https://eiga.com/news/20220907/7/
時は1923年春。
澤田智一、静子夫妻が朝鮮から故郷の福田村(現在の千葉県野田市)へ帰ってくるところから始まります。
当時、朝鮮半島は韓国併合により日本の統治下にありました。
そこで起こった日本軍による虐殺事件。
智一が静子に事件のことを隠していたという設定が、何らかの形で映画のストーリーに関わってくると思われます。
同じ年の9月に関東大震災に見舞われ、混乱のさなか「福田村事件」が起こってしまいます。
なぜ、このような恐ろしい事件が起こったのか?
次の章で福田村事件の内容について解説します。
福田村事件の内容をわかりやすく解説!
福田村事件なんて知らなかった😱関東大震災の直後の混乱の最中とはいえ酷いことがあったものだ。映画化されたんだね🎦 pic.twitter.com/uWTmDO7Dx8
— 織部緑子 (@OliveGreeeen) June 23, 2023
ではここから、映画のあらすじに沿って実際の福田村事件がなぜ起こったのかをわかりやすく解説していきます。
関東大震災後の流言飛語とは
流言飛語とはいわゆる“デマ”のことです。
1923年9月1日の正午ごろ、南関東で巨大地震(関東大地震)が発生し、関東一帯は大きな被害を受けました。
この地震発生から数時間後、「朝鮮人による悪行」が流布されます。
朝鮮人による放火、略奪(強盗)、殺傷、強姦、朝鮮人が井戸に毒を入れたなどのデマが次々と流されました。
流言の出どころははっきりしていませんが、当時の朝鮮が日本の支配下にあり、朝鮮人を差別的に見ていたこともこのようなデマが流れた原因かもしれません。
このようにして流言が広まり、各地に日本刀や竹槍、猟銃などで武装した自警団が作られました。
こうして関東大震災の直後、朝鮮人を見つけては殺してしまうという状況が起こってしまったのです。
なぜ行商団は誤解されたのか
1923年3月、薬売りの行商団15人が全国を廻るために香川を出発し、8月に千葉に入っていました。
そこで行商人たちが話す讃岐弁を、福田村の人々が「言葉が変だ。朝鮮人ではないのか」と誤解したことがことの発端です。
次第に隣の田中村(現在の柏市)の住民も集まり、村人の数は数百人にのぼったと言われています。
行商人は「いろはにほへと」を言わされたり「君が代」を歌わされたりしましたが、誤解は解けませんでした。
なぜ虐殺が起こってしまったのか
結局、頭に血がのぼった村人たちによって行商団のうちの9名(妊婦の胎児を含めて10名)が虐殺されてしましいます。
なぜこのようなことが起こったのでしょうか。
ここには3つの理由があると筆者は考えます。
1.朝鮮人への差別
ひとつめは朝鮮人への差別です。
当時、日本は朝鮮を植民地としていました。
日本人と朝鮮人との間に支配する者とされる者という関係性ができあがり、官民ともに差別意識があったことは間違いありません。
2.行商人への差別
香川の薬売りたちは被差別部落の出身でした。
つまり、周囲から差別され貧しかった部落の人たちが、薬売りの行商をして生計を立てていたのです。
行商人というだけで「貧しい者」「怪しい者」という偏見の対象となり、警察も「あやしい行商人を見たら通報せよ」と警告していたという背景があります。
3.集団心理
虐殺は、その場にいた警察官が現場を離れたときに起こりました。
逮捕されたのは福田村と田中村の自警団員ですが、彼らはもともとただの民間人です。
“普通の善良な民”がなぜこのようなことをしたのでしょう。
数百もの民衆が「こいつらは朝鮮人だ」「生かしてはおけない」と一種のトランス状態になり、このような残忍な行動に出たのではと考えられます。
福田村事件は、差別意識や時代背景、震災という要素が重なって起こった悲惨な事件でした。
このようなことが二度と繰り返されないよう、私たちは事実を“知る”ということが大切ですね。
まとめ
映画「福田村事件」のネタバレあらすじと、実際の事件の内容をわかりやすくお伝えしました。
あらすじやキャストには明らかにされていないことが多くネタバレには触れていませんが、豪華俳優陣が作り上げる「福田村事件」、気になりますね。
また、福田村事件がなぜ起こったのかもわかりやすく解説してみました。
いかがでしたでしょうか?
映画「福田村事件」は関東大震災からちょうど100年後の2023年9月1日公開です。