怪物(映画)に原作ある?どんな話なのかわかりやすく解説

2023年6月2日(金)にあの映画界の巨匠・是枝裕和監督の最新作「映画『怪物』」が公開されます。
しかも今作は坂本裕二脚本家とタッグを組んだということで、是枝ファンも期待感は半端ないようです。
いったい今作はどんな話になっているのか?凄く興味ありますよね?
話題の映画に付き物なのは、「原作の有無」ではないでしょうか。
是枝監督がこれまで発表してきた映画にも、原作アリの映画はあったようですが、今回もあるのでしょうか?
今回は映画『怪物』がどんな話かを中心に、解説していきます。
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怪物(映画)に原作ある?
今回の映画『怪物』は、前作映画『ベイビーブローカー』から約1年ぶりの超大作となりそうです。
しかも今回は、脚本家である坂本裕二に全信頼を寄せての映画製作でした。
これまでの映画はほとんど是枝監督が自ら脚本も手掛けていたのですが、今作では是枝監督自身も大ファンだという、坂元裕二脚本家とタッグを組むことになったのです。
そのため、監督自身「夢が叶った」と喜びもひとしお。
坂元裕二脚本家も実は、大の是枝ファンという互いがリスペクトし合っている素晴らしすぎる組み合わせですね。
そのような最強の2人が組んで製作した今作『怪物』は、タイトルも奇妙ながら原作があるのだろうかと気になります。
それでは早速、その辺りを探っていきましょう。
映画『怪物』は原作なし!是枝×坂元の完全オリジナル
今回の映画でこれまで脚本も手掛けてきた是枝監督が、脚本をゆだねた理由がこのツイートにあるようです。
今回の映画『怪物』で、是枝監督の空っぽな部分に違う何かが入った可能性はありますね。
というのも、今作の映画『怪物』は脚本家・坂元裕二とタッグを組んだ作品であるため、原作はなしの完全オリジナル作品となっているのです。
是枝監督は、坂元裕二の描く世界観に心底惚れていました。
自らも脚本を手掛けていた是枝監督は、「坂元裕二が脚本にかける手腕に羨望と畏敬の念を持っていた」と赤裸々に語っています。(映画.comより抜粋)
一方、坂元裕二脚本家も、今回の映画で「脚本も手掛けてこられた是枝監督以外の者が脚本を書くなんてありえないと思っていた」と同サイトで語っています。
そしてこうも仰るのは「是枝監督の作品に脚本を書く脚本家がいたら、なんて身の程知らずな奴だと苦笑いするはず、なんて愚か者だと」
互いが相思相愛だったのですね。
それだけに今回は、坂元裕二脚本家もこれまで以上に熱のこもったストーリーを展開したようです。
そのストーリーを書く上で、テーマになったのはなんだったのでしょうか。
映画『怪物』のテーマは「自分を好きになれない誰かへのエール」

脚本家・坂本裕二
脚本家・坂本裕二は今回の映画『怪物』について、この映画のテーマは「自分を好きになれない誰かへのエール」と語っています。
実は、坂元裕二脚本家は是枝裕和監督の作品『海よりもまだ深く(2016年)』の作中やインタビューで、是枝監督が「こんな自分になりたいわけじゃなかった」と言ったことに非常に驚いたそうです。
人は誰しもが、自分に納得いかなくて「こんなはずじゃなかった」と思うことが多々あります。
映画界のトップランナー・是枝監督もそんな思いをしていたんだと思い「僕もそうなんだよね」と心の中で話しかけていたと言います。
「そのことがあってから、今回の映画『怪物』もそんな風にして作っていった」と語っていました。
この映画を観る人の中にも「自分が好きになれない」と感じたことのある誰か1人にでも響けばという想いだったのでしょう。
そういえば、是枝監督も似たような名言がありました。
自分で自分を褒められることがあるとするならば、ぼくは「これは自分の仕事だ」と思ったら、徹底的に頑張ってきた。by 是枝裕和
これはきっと「こんな自分になりたいわけじゃなかった」と思った是枝監督が編み出した、スランプ脱出作戦だったのかも知れませんね。
もちろん、是枝監督は一言も「スランプ」とは言っていません。
しかし、「こんな自分になりたいわけじゃなかった」ということは、やはり是枝監督も人並みに「行き詰った」ことがあったということではないでしょうか。
その中で時期は違うかも知れませんが上記のような発言があったということは、「これが自分の仕事なんだ」と思うことで、その時期(スランプ)を乗り越えてきたのだと思うのです。
そのような強い決意のもと、1つ1つの映画が丹精込めて作られたのだと思うと、観る方も心して観なければと思ってしまいますね。
そのような渾身の力作『怪物』は、どのような話なのかを次の章でわかりやすく解説していきましょう。
どんな話なのかわかりやすく解説
特報の動画だけでも、やはりちょっと怖い話になっている気がしますね。
特に上履きの上に滴り落ちた血を見るからに、嫌な予感しかしません。
では、映画『怪物』で、今現在分かっているあらすじを見てみましょう。
映画『怪物』ってどんな話?
映画『怪物』がどのような話なのか?
公開された一部のあらすじを見てみましょう。
物語の舞台となったのは、大きな湖がある郊外の町でした。
この町に住んでいるのは?
- 息子をこよなく愛するシングルマザー
- 生徒たちを大事に想う小学校教師
- 無邪気な小学生の子どもたち
その日はいつもと変わらぬ、平穏な日々の1日のはずでした。
しかし、突如学校の校庭で無邪気に遊んでいたはずの子どもたちが喧嘩を始めたのです。
はた目には、子ども同士のよくある小さな喧嘩のように見えました。
ところが、何やら子どもたちの意見が食い違っているようです。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
子どもたちだけの喧嘩で終わらず、トラブルへと発展し次第に大きくなります。
そして、大人~社会~メディアをも巻き込む社会問題へと発展してしまいました。
そんなある嵐の朝、こともあろうかトラブルの当事者であった子どもたちが忽然と姿を消したのです。
子どもたちの意見が食い違ってきてから社会問題に発展するまでの間に、どのような展開があったのかは不明です。
あくまで私の見解ですが、恐らく連日子どもたちを巡って、親や学校の教師などが保護者会などを開いて話し合うなどの場面があるのかも知れませんね。
しかし、そうなると一抹の疑問が湧いてきます。
〇そこからどうやって、メディアをも巻き込むトラブルに発展するのか?
〇そもそもどのようなことで、子どもたちの意見が食い違っていたのか?
その辺りは、まったく謎です。
恐らくこれが、「怪物だーれだ」と予告編で繰り返される子どもたちの声と繋がるのでしょう。
映画『怪物』のもう1つのテーマは「誰が怪物か?」
もうご存じの方も多いと思いますが、音楽グループ「YMO」で一世風靡した坂本龍一さんが、お亡くなりになりました。71歳でした。
その坂本龍一さんが、今回の映画『怪物』の音楽を担当されていたのです。
私も坂本龍一さんの訃報を聞いたとき「あれ?坂本龍一って確か「怪物」の音楽を担当したって言ってなかったっけ?」と思い、驚きました。
そのくらいあまりに唐突な出来事だったのです。
坂本龍一さんにとっては、今作『怪物』が遺作となってしまったのですね。
その坂本龍一さんが、この映画のテーマについて生前このように語っていらっしゃいました。
怪物と言われると誰が怪物なんだと探し回ってしまうんだが、それはうまくいかない。誰が怪物かというのはとても難しい問いで、その難しい問いをこの映画は投げかけている。さて、その難解なテーマの映画にどんな音楽をつければいいのだろう。救いは子供たちの生の気持ち。それに導かれて指がピアノの上を動いた。正解はない。
今回残念ながらスコア全体をお引き受けする体力はなかった。監督からのたってのご所望でピアノ曲2曲を提出した。新しいアルバム「12」からの曲や、古い曲を使って全体を構成してくださった。引用元:https://www.fashion-press.net/news/96110
怪物を「難解なテーマ」と表現した坂本龍一さん。
公開を待たずに逝かれてしまいましたが、音楽家としてこちらも最後の力を振り絞って作られたことでしょう。
映画『怪物』のまとめ
今回は、映画『怪物』の公開を前に原作はあるのか?そもそも、どんな話なのか?について解説してきました。
出演キャストもさることながら、その脇を固める監督含めスタッフたちもそうそうたるメンバーでした。
是枝裕和監督・坂元裕二脚本家・坂本龍一音楽家
このようなレジェンドたちの手によって作られた映画『怪物』は、原作はなしの完全オリジナルというのも嬉しいですよね?
詳しいストーリーがどんな話になっているのか?
坂本龍一さんの奏でた音楽をバッグに、存分に堪能したいですね。
最後に坂本龍一さん、私たちに最高の夢を、生きる力をありがとうございました。
どうか安らかに。ご冥福をお祈り申し上げます。