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渇水(映画)ネタバレあらすじは?衝撃のラストは実話どこまでなのか調べてみた!

Shie
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この記事では、映画「渇水」のネタバレあらすじと、衝撃のラストはどこまで実話なのか?についてご紹介しています。

生田斗真さん主演の映画「渇水」が6月21日に全国で公開されます!

水道料金を払わない家庭を回り停水を執り行っている水道局員と、育児放棄された幼い姉妹との交流を描いたこの作品。

ネグレクトや貧困などの社会問題を題材にしたストーリーですが、どこまでが実話なのか、物語のラストはどうなるのかも気になりますよね。

そこで今回は、原作小説「渇水」のネタバレあらすじをもとに、それらについて調べてみました。

ぜひ最後までご覧くださいね!


「渇水」のネタバレあらすじを紹介

映画「渇水」は、河林満氏の同名小説が原作となっています。

ここでは小説「渇水」のあらすじをネタバレありでご紹介していきます!


映画「渇水」の原作は?

映画「渇水」は1990年に刊行された小説「渇水」が原作となっています。

小説「渇水」について

著者:河林 満(かわばやし みつる)

初版:1990年

1990年に文學界新人賞受賞、芥川賞候補作品

NHKでラジオドラマ化されギャラクシー賞受賞

初版本には「渇水」のほかに3編の作品が収められており、この作品自体も長いものではありません。

著者の河林満氏は1950年生まれの作家で、現在はすでに亡くなっています。

著者・河林満氏について

生没:1950年12月10日-2008年1月19日

福島県いわき市生まれ

東京都立川市で育ち、郵便局で2年勤務後、立川市職員として25年勤務

文筆業に専念するため1998年に立川市を退職

57歳のとき脳出血で亡くなる

「渇水」の主人公は市の水道局職員ですが、作者自身も市職員であり、在任中の39歳のときにこの小説を書きました。

これが、作品の内容にリアリティを持たせ、主人公の心情が緻密に描写されている所以なのかもしれません。


原作小説「渇水」のあらすじ

まずは小説「渇水」のあらすじをネタバレなしでご紹介します!

次の項でラスト結末をネタバレありでご紹介しますので、気になる方はお楽しみに♪

猛暑の夏、都では給水制限が出されていました。

多摩地域S市の水道局で働く岩切木田は、水道料金を3年間滞納している小出秀作宅の水道を停水しようとしているところでした。

家は留守でしたが、ちょうどそのとき小出の娘2人が学校から帰ってきました。

小学5年の恵子と3年の久美子は「水が止まってしまうの?」と聞いてきます。

なんとかして料金を払ってほしいと願う岩切ですが、その後も滞納は続き小出家の水道は停水執行されます。

その後、いつもどおり出勤した岩切は驚くべきことを知らされるのでした。

岩切は、水道料金の滞納者の家を訪問し、説得し、それでも払わなければ停水執行しなければなりません。

時には罵声を浴びせられながら仕事をする岩切の水道局員としての心情が細やかに描かれています。

物語の結末には胸が苦しくなりました。


原作小説「渇水」のラストをネタバレありで紹介!

ここからは、小説「渇水」のラスト結末をご紹介していきます。

ネタバレ注意ですよ!

岩切は、小出秀作の家に何度も停水の予告を出していました。

それでも水道料金は支払われないどころか、自宅を訪問しても小出夫婦に会えたことは1、2度しかありませんでした。

まる3年滞納したところでついに停水が決定され、岩切たちが来たというわけです。

岩切の後輩である木田が水道の栓を閉めようとしたまさにそのとき、小出家の2人の姉妹が帰ってきました。

「いくらたまってるんですか?わたし、計算します」と小学5年の恵子が言います。

岩切はいったん栓を閉めるのをやめ、浴槽やボウル、洗面器など家じゅうの器に水を溜めさせ、それから停水を執行したのでした。

そんなやりとりをしつつも心の中で「今すぐ母親が戻り、料金を支払ってほしい」と願う岩切。

「今日、お母さんは帰ってくる?」と確認すると姉妹は「かえってくるよ」と答えます。

停水のあと、岩切、木田、姉妹は木田に頼んで買ってきてもらったアイスを食べながら4人で雑談をします。

岩切はこの姉妹ともう少し一緒にいたいと考えたのでした。

「お母さんが帰ってきたら連絡するように」と恵子にお願いして、岩切たちは次の滞納者のもとへと向かいます。

恵子はそれに答えず、泣き笑いのような表情をうかべ岩切を見送りました。

週末をはさんだ月曜の朝、職場には警察が来ていました。

課長に呼ばれた岩切は警察に「先週の金曜日、小出秀作の水道を止めたか」と聞かれます。

止めたと岩切が答えると、刑事に「そこの2人の女の子が列車にはねられて死亡した」と告げられます。

それを聞き、岩切は手が震え、口の中が乾き、頭には3日前に会った姉妹の顔が浮かびました。

刑事によると小出家は、父親は長い間帰っておらず、母親も2、3日帰っていませんでした。

そして日曜日の早朝、姉妹は線路に横たわり、朝一番の電車にはねられた、ということでした。

居間のテーブルには古い水道料金の領収書が置いてあり、家の中には人形やおもちゃが散らばり、姉妹は前の日、近所の公園で夜遅くまで遊んでいたといいます。

岩切が、事故ではないのかと聞くと、「自殺と考えられる」と答える刑事。

運転士がブレーキをかけたが間に合わず、そのとき上の子が、電車に向かって寝がえりをうったということでした。

「無理に水道を止めたわけではないんだろう」と言う課長に「無理にではありません、あの家の滞納はかなりのもので…」と岩切は答えますが言葉になりません。

「諸々は署でお聴きしたい」という刑事の言葉を聞きながら、停水前、水を溜めさせたときに金魚の水槽に水を入れると言った妹久美子の姿を、岩切は思い出していました。(完)

市井の人々の悲哀が淡々と描かれている小説「渇水」。

本当は水を止めたくはなかった、母親に帰ってきてほしかったと願う岩切に突きつけられた姉妹の自殺という残酷な結末…。

水道を止められながら、帰らない親を待つ姉妹はどんな思いだったのでしょう。

幼い姉妹と、彼女らを気にかける岩切の気持ちに胸を打たれる作品でした。


「渇水」はどこまで実話なの?

この小説「渇水」はどこまでが実話なのでしょうか?

前章でご紹介した原作小説のあらすじをもとに考察していきます。


「渇水」は実話をベースにした創作である

映画の原作となる小説「渇水」が実話かどうかですが、筆者はこれは実話ではないと考えます。

この作品が実話であるかどうかを調べましたが、実話であるともないとも明確な記述を見つけることはできませんでした。

ですが「渇水」はあくまでも“小説”として世に出されていますし、それで芥川賞候補ともなっています。

少なくとも小説を読む限りこれは創作であり純文学だ、と筆者は感じました。

ただ、物語の設定は実話というか”事実”をベースにしていると思います。

水道料金や地方税などを滞納する人はどこにでも一定数いて、自治体はその徴収に頭を悩ませています。

督促状を郵送しても滞納し続けている場合、この岩切のように自宅に訪問して徴収を試みるということはあります。

逆ギレする人、水を止めないでくれと懇願する人など滞納者にもさまざまな人がいます。

そんな人たちに対応しなければならないので、徴収する側がとても大変なのは想像に難くないですよね。

河林氏自身が市職員時代にどのような職種を担当していたのかはわかりませんが、そのような経験を身近に感じ、それを題材に小説化したということは間違いないでしょう。

小説のラストはとても哀しいものでした。

この衝撃の結末が実話だったのかというと、それもやはり違うと言わざるを得ません。

公務員には守秘義務があります。

公務員であった著者の河林氏が、実際に起こった出来事をありのまま小説にするとは考えにくいです。

実際の事柄を題材にするのであれば、その旨を注釈として入れるのが普通ではないでしょうか。

これらのことから「渇水」は、物語の背景となっている水道料金の滞納やその徴収という“実話”をベースに、人が生きることの哀しみや理不尽さを描いた作品なのだと筆者は考えます。


映画「渇水」のラストはどうなる?

そんな悲しい結末の「渇水」ですが、映画のラストはどうなるのでしょうか

映画「渇水」の公式サイトには、

『先の見えない現代に問う“心の解放”を描いたヒューマンドラマ』

『生の哀しみを描いた原作小説を、絆が紡ぐ一筋の希望を描いた感動作へと昇華』

https://movies.kadokawa.co.jp/kassui/

とあります。

また、主演の生田斗真さんは

空気や太陽の光はタダなのに、どうして水はタダじゃないんだと、世の不条理に疑問を持ち始める主人公に少しの希望と微かな光を与える事が出来たらという思いで精一杯演じました。

https://movies.kadokawa.co.jp/kassui/

とコメントされています。

小説は心が苦しくなるラストでしたが、映画はきっと希望ある結末になっているのではと思っています。


まとめ

映画「渇水」のラストはどこまで実話なのかを、原作小説のネタバレあらすじをもとに考察してきました!

結論として、「渇水」は“実話をもとにした創作”ではないかというのが筆者の考えです。

小説のあらすじをネタバレありでご紹介しましたが、作中には心も環境も渇いている人々が登場していました。

主人公の岩切も例外ではありません。

そんな生の哀しみが眩しい夏の陽射しとともに描かれている作品でした。

映画では、きっと希望あるラストになっていると思います。

この感動の小説「渇水」が映画ではどこまで再現され昇華されているのか、とても楽しみです!

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