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ある男は実話?映画の原作者・平野啓一郎はどこから発想を得たの?

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Nishi

愛と感動のヒューマンミステリー、映画「ある男」が2022年11月18日に公開となります!

この記事では、映画「ある男」は実話なのか?原作者の平野啓一郎はどこから発想を得たのか?についてご紹介していきます。

2018年に刊行された平野啓一郎氏の小説「ある男」が、妻夫木聡さん主演で映画化されました。

『ある日突然、愛する夫を亡くした妻。しかしその夫はまったくの別人だったーー』

妻夫木聡さんの演じる弁護士が、その男の正体を探っていくというストーリーです。

なんだかあり得ないようなお話で、これは実話なの?どういう発想で生まれたの?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は「ある男の映画は実話?原作者・平野啓一郎はどこから発想を得たの?」と題してその疑問を探っていきます!

映画の見どころもご紹介していますのでぜひ最後までご覧くださいね♪

 

映画「ある男」は実話なの?

映画「ある男」は実話なのでしょうか?

原作小説での描かれ方とともに、実話なのかそうでないのかを調べていきます!

 

「ある男」の原作小説ではどのように描かれている?


平野啓一郎による小説「ある男」は、2018年に初版が刊行され第70回読売文学賞を受賞した作品です。

「実話なの?」と疑問に思う理由のひとつはこの作品の「序」の部分にあります。

「私」という人物が、とあるバーでこの作品の主人公となる弁護士の城戸と出会い、彼から聞いた話をもとに小説を書いたと記述されているのです。

この「私」は生年や法学部卒で小説家などの経歴から、おそらく作者である平野啓一郎自身。

「序」の最後の方にこのような一文があります。

小説を書くに当たっては、この人や関係者に改めて話を聞き、「守秘義務」から城戸さんが曖昧にしか語らなかったことを自ら取材し、想像を膨らませ、虚構化した。

平野啓一郎著、小説「ある男」より

ここで言う「この人」とは、別の場所で偶然出会った「城戸をよく知る弁護士」です。

「序」を読むと、本当に平野がバーで城戸と出会い、そこから物語が始まったかのように思ってしまいますが、これはあくまでも小説。

作りこまれた小説の一部と解釈するのが妥当でしょう。

 

「ある男」の映画は実話ではない!


「序」の部分は小説の一部であるとお話ししましたが、では映画は実話なのでしょうか?

結論は「ある男」の映画は実話ではないです。

ではその理由を説明していきますね!

映画「ある男」の試写会で、原作者の平野啓一郎氏とプロデューサーの秋田周平氏を交えてのトークセッションが行われました。

2022年11月7日の「本の話」にそのやりとりが掲載されています。

まずは秋田氏の言葉。

原作のなかで城戸が宮崎で行くバーがありますが、そこは平野先生が取材のときに実際に行かれた店です。

https://books.bunshun.jp/articles/-/7544

城戸が実在の人物だったらこのような言い方にはならないと思います。

次に、試写会に参加した書店員さんからの「里枝と大祐の子供を兄妹の設定にしたのはなぜですか」という質問に対して平野氏は

実の父親より、血のつながらない父親のほうを好きである、という設定はずいぶん考えて、書きたいと思っていました。(中略)そういう設定で書きやすかったのが、男の子のほうでした。(中略)楽器編成みたいに、どんな声が響いているといいのかな、と考えたときに、下の子は自然と“妹”になりました。

https://books.bunshun.jp/articles/-/7544

はっきりと「設定」と言っていますね。

明らかに平野氏が考えて作った構成だということがわかります!

また、映画の中のあるシーンについての平野氏の言葉がこちらです。

ここは小説でも、晴れた日の出来事として書いています。それこそ梶井基次郎の『城のある風景』に出てくるような…。曇っていたり雨の日だと、その後の城戸の行動も変わってきたかもしれませんね。

https://books.bunshun.jp/articles/-/7544

天気を設定した上に「城戸の行動も変わってきたかも」と言っていますね。

これは実話ではありえないことではないでしょうか。

以上のような理由から、「ある男」の映画は実話ではないと結論づけることができます!

 

原作者・平野啓一郎はどこから発想を得たの?

では次に、「ある男」はどのような発想から生まれたのかを掘り下げていきます!

「本の話」の中で、「ある男」の主題は「未来は過去を変える」ということだと平野氏は語っています。

『マチネの終わりに』は、現代の世界史的な出来事を背景にした、美しい恋愛物語だったが、私は、「未来は過去を変える」というその主題に、改めて、まったく別のアプローチで取り組むことを考えていた。

https://books.bunshun.jp/articles/-/6518

その主題に別のアプローチで取り組んだ作品が「ある男」なのですね!

そして平野氏はこう続けます。

人は、様々な条件で生まれてくるもので、自らの生い立ちに誇りを持って生きている人もいれば、そのために著しい人生の困難を抱え込んでいる人もいる。

今とは違った人生だったなら、というのは、所詮は平凡な想像かもしれないが、後者の人たちにとっては、切実な願望である。

もし、自分の過去を誰か他の人の過去とすっかり取り替えることが出来るならば?

『ある男』の着想は、そんな思索からだったが、私はこのことを、やはり愛を通じて考えたかった。

https://books.bunshun.jp/articles/-/6518

 

人は、良くも悪くも様々な条件で生まれてくるものであり、今とは違った人生だったならと、人生に困難を抱える人は切実に願う。

もし、自分の過去を他人の過去と取り換えることができるなら?

これが「ある男」の発想の原点だと言えるでしょう。

 

映画「ある男」の見どころ

では、映画「ある男」の見どころをご紹介します。

役作りへのこだわりや演じていて印象的だったというシーンを調べてみました!

 

俳優たちのこだわり抜かれた役作り

俳優の皆さんは役作りに相当こだわったようです。

「ある男」公式ホームページから抜粋してお届けします!

主人公・城戸を演じた妻夫木聡さんは、本作が初の弁護士役。クランクインの前には、実際の裁判を傍聴したり、現役の弁護士に何度も取材を重ねる一方、息子役の子役と一緒に遊ぶなど、入念な役作りを行なっていた。

https://movies.shochiku.co.jp/a-man/news/1007info/

妻夫木聡さん、弁護士役が初めてだったとは意外でした。

実際の裁判を傍聴したなんてすごいですね!

安藤サクラさんは、幼い子供を病気で失う母親役として、医学書や闘病記を読み込み、里枝という役に寄り添いアプローチ。原作を読んだ際に里枝の壮絶な人生に胸が締め付けられ、文字を追うのが苦しくなるほどだったといいます。

https://movies.shochiku.co.jp/a-man/news/1007info/

安藤サクラさんは医学書や闘病記、原作などを読み役作りを行ったそうです。

どんなふうに母親役を演じているのかとても楽しみです!

里枝の夫・大祐<ある男X>を演じた窪田正孝さんは、過去パートに向けて体づくりとトレーニングに励み、フィジカル面での役作りに奮闘。林業シーンの練習では「初めて木を切る体験をした時、自分の喉元を切るような感覚になり、植物から命の重さを感じさせられた気がした」と振り返り、この感覚が演じる上で大きなヒントになったと語ります。

https://movies.shochiku.co.jp/a-man/news/1007info/

窪田正孝さんは身体的な面からも役にアプローチされたのですね。

伐木の練習も真剣にされていたようで、木を切るシーンは見どころのひとつです!

 

俳優たちが語る印象的なシーンは?

妻夫木聡さんと窪田正孝さん、原作者の平野啓一郎氏が語る印象的なシーンを、ジャパンプレミアでのインタビューから抜粋します。

まずは妻夫木聡さん。

監督がテクニカルなことに挑戦して、柄本さん演じる小見浦という中々な役がさらに増長して観客を引き込むシーンになっています。柄本さんに食われるのかと思うくらいに演じていて楽しかった。

https://natalie.mu/eiga/news/499186

戸籍ブローカー役の柄本明さんとの共演シーンが印象に残っているとコメントされています。

このお2人の共演に期待が高まりますね!

窪田正孝さんは

サクラさんは愛に包まれていて、大黒柱として家族のシーンのベースを作ってくださった。それにすごく助けられた印象です。子供たちも自由にお芝居していて、本当にリアルな家族風景が見えました。

https://natalie.mu/eiga/news/499186

と語っています。

安藤サクラさんと子供たちとの家族のシーン、早く見てみたいです!

そして完成後の映画を観た平野氏の感想がこちら。

作家冥利に尽きる。本当に感動しました。2度観させていただいたのですが、1度目は小説がどのように映像化されるのかを気にしながら。2度目は映画的なロジックに着目して観ていました。それぞれの場面が結び付くさまに、監督の技量に敬服しました。

(キャストについて)本当に素晴らしい表情をされていた。演じられた役者の皆さんと、その表情を引き出した監督のコラボレーションに胸を打たれました。

https://natalie.mu/eiga/news/499186

映画そのものの完成度、俳優陣の演技などとても素晴らしかったと語っています。

原作者がこれだけ絶賛しているということはかなり期待できそうです!

以上、見どころをお伝えしました!

 

まとめ

映画「ある男」は実話なのか?原作者の平野啓一郎はどこから発想を得たのか?についてご紹介しました。

平野氏がトークセッションで語った内容から、この作品は実話ではないということがわかりましたね。

また、原作者の平野啓一郎氏は、人生に困難を抱える人が切実に願う自分の過去を他人の過去と取り替えることができるなら?という思索から発想を得たと語っていました。

さらに後半ではこの映画の見どころもご紹介しました。

熱演する俳優陣と石川監督が一丸となって作り上げた映画「ある男」、公開がとっても楽しみです!

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