でっちあげ 映画は実話？殺人教師の元ネタや事件のその後を調べてみた！

2025年6月27日に、映画【でっちあげ】が公開されます。

三池崇史監督と綾野剛さんのタッグでも注目されるこの【でっちあげ】は、実話を元ネタとして制作されており、実際の事件を取り扱う映画としても、観客からの期待値がとても高い作品です。

映画【でっちあげ】の元ネタとなった事件は、週刊誌やワイドショーで連日取り上げられ、『殺人教師』というセンセーショナルな言葉と共に、多くの耳目を集めました。

しかしこの実話のその後までご存じの方はどれくらいいらっしゃるでしょうか？

そこで今回は、映画【でっちあげ】の元ネタとなった実話をしらべ、どんな事件だったのか、殺人教師と呼ばれた男性のその後についても調べてみました。

映画【でっちあげ】は実話なの？殺人教師は実在するのか調べてみた

福田ますみ「でっちあげ -福岡「殺人教師」事件の真相-」読んだ。クレーマー、モンスターペアレント、被害者のふりをした虚偽の数々。恐ろしすぎる。投げっぱなしの報道、(現在ならもっと酷いであろう)ネットリンチ。そしてこんな人が今もどこかで暮らしている恐怖。 pic.twitter.com/kG7XoOOV56

— anagramm (@anagrammm) November 29, 2022

やまこ

『殺人教師』って、かなり衝撃的な言葉だけど、本当にこんな言葉使われてたの？

りと

映画【でっちあげ】は、2003年に福岡市の小学校で起きた実際の事件を元ネタとしています。

この事件は『教師による児童いじめ』が初めて認定された事件として有名で、事件当時大きく世間を騒がせました。

しかしこの事件は、思いもよらない結末を迎えるのです。

映画【でっちあげ】の元ネタとなった事件とは？

福岡市にある小学校で4年3組の担任教師をしていたAさんが、家庭訪問でクラスの児童・Kくんの家を訪れた事からこの事件は始まります。

家庭訪問の数日後、急にKくんの母親から身に覚えのない事で非難されてしまったのです。母親は

• Kの祖父はアメリカ人だと話したら『血が穢れている』と言われた
• 家庭訪問の後からKは教室内でA先生からいじめられている
• ＫのランドセルもＡ先生にゴミ箱に捨てられた

として、担任の変更を求めて学校にやってきました。

急な訴えに困惑したA先生がそれら全てを否定するも、K母の憤りは収まるところを知りません。彼女が主張するA先生によるKくんへのいじめには、

• アンパンマン　…両頬を指で強く掴み横に引っ張る
• ミッキーマウス…両耳を掴み身体が浮き上がるほど引き上げる
• ピノキオ　　　…鼻を摘まんで身体を振り回す

等の種類があり、帰りの準備を10秒以内で出来ない時には、これら刑罰の中からKくんに選ばせていたというのです。

やまこ

これが本当なら、いじめじゃなくて虐待や棒鋼って言葉の方がふさわしいくらいに凄まじくない？

耳を掴んで持ち上げるって…大怪我じゃすまないよ！

この事態に、校長はろくに事実を調べもしないまま、Ａ先生に謝罪させます。

Ａ先生としてはやってもいない事を言い立てられ、否定しても聞き入れてもらえない状況だったこと、また実際に

• 他の児童に暴力を振るうＫくんの頬を叩いたことがあった
• 帰り支度の遅いＫくんのランドセルをゴミ箱の上に置いた

などの行為には自覚があったため、児童本人にはもちろん、後日Ｋ母の希望で開かれた保護者会の場でも謝罪、その上で担任から外されることになりました。

これでＫくんの身の安全は守られ、落ち着いた学校生活が戻ってくるかに思えたのも束の間のこと。

この事態を、朝日新聞(西部本社)が報じた事で更に落ち着きを無くしていくのです。

『教師による児童いじめ』という絶対にあってはならない事が起きている、と報道されたことで、学校には多くのマスコミ関係者が詰めかけ、児童達にもインタビューのマイクが向けられる事態となってしまいました。

学校側は、児童達にインタビューに答えないよう指示するだけで、Ａ先生を守ろうともしません。それどころか教育委員会からの事情聴取が始まると、これ幸いとばかりにＡ先生の事を丸投げしたのです。

約1ヶ月半の事情聴取が終わり、Ａ先生に下されたのは『停職6ヶ月』の懲戒処分。

やまこ

事情聴取で、なにを聞き取って『停職6か月』なんだろうね？

かなり重い処罰のように感じるよ…。

Ｋくんは、母親が訴え出てから学校を休むようになっており、それはＡ先生が教壇から外れても変わることはありませんでした。

Ａ先生への恐怖から学校に来られない状況になっている、として母親が久留米大学病院にて診察を受けさせた結果、彼は抗うつ反応状態にあるとの診断(のちにＰＴＳＤを発症とも診断される)が下りたのです。

こうして、自宅療養と投薬治療が始まったＫくん。

この状況下で、事態を更に大きくする事案が発生します。それは週刊新潮による実名報道です。

週刊新潮は、朝日新聞が報道した時には伏せられていたＡ先生の実名ばかりか、顔写真まで掲載し、そのうえ『殺人教師』というセンセーショナルな言葉まで使って書き立てられた記事により、世間からの大きな批判の目はA先生に一層強く向けられるようになりました。

『殺人教師』という言葉は、A先生がKくんに『死に方を教えようか？』　と言い放ったとして使われており、教師が子供に自殺を強要するという『いじめ』の範疇を大きく逸脱した行為を書き立てた記事は今でいう大炎上です。

りと

Ａ先生は教育委員会から懲戒処分を受けていますが、何かの事件の犯人として逮捕されたわけではありません。

にもかかわらず、実名・顔写真の掲載というのはちょっと異常な感じがしますね。

週刊新潮の記事にはA先生への配慮などどこにもなく、彼はあっという間に『受け持ち児童をいじめる殺人教師』として日本中にその名前と顔が知られてしまったのです。

自分の主張は誰にも取り上げて貰えず、自宅にも記者が押しかけ、全く関係のない人たちからも悪意をぶつけられる日々…。

身の危険すら感じる毎日がいつまで続くのかと思われた頃、悪夢のような事態を大きく変える出来事がありました。

なんとKくんの保護者が

『息子の重篤なPTSD発症はA先生による体罰が原因だ！』

として裁判を起こしたのです。

A先生と福岡市に対し1,300万円(にちに5,800万円に増額)の損害賠償を求めたこの裁判には、マスコミによる過熱報道もあってか、なんと550名を超える弁護士集団が着任という異例のものとなりました。

やまこ

 集団訴訟でもないのに弁護士が集団弁護する事件って珍しくない？

しかも弁護団550人って…本当に注目される裁判だったんだろうね。 

りと

子供が教師からいじめられた、というのはかなり衝撃的な事件ですもんね。

さて、この事件の決着はどうなったのでしょうか？

裁判の重要な争点ともなっているKくんのPTSD発症についても、彼の主治医の診断が間違っているのではないかと、東邦大学医学部の医師に医学的意見書を書いて貰い、事実関係の確認が不十分であることを示唆したのです。

A先生から受けた恐怖によって学校に行けないはずのKくんが、休みの日に学校でサッカーをしている、との目撃情報が多く寄せられていたり、彼の症状についてはこれまでにも懐疑的な意見はありました。

しかしそういった意見は、Kくんの主治医によって『リハビリである』と一蹴されていたため、その診断を別の医師が誤診ではないかと書いた意見書は、裁判でも大きな意味を為したことでしょう。

こうして2回目の口頭弁論を終えて迎えた第一審判決が、一部認容・一部棄却です。

原告の言い分が認められたのは

• 家庭訪問後、週に3・4回体罰を行った
• 授業中『アメリカ人』『赤髪』と言った
• 児童のランドセルをゴミ箱に入れた

というもので、その一方認められなかったものは

• 体罰とはいえ、原告主張のような怪我をするほどのものでは無かった
• 『アメリカ人』『赤髪』以外の差別発言や自殺強要発言も認められない
• PTSDについても認められない

となりました。

やまこ

児童原告側が主張した体罰には、ミッキーマウスっていう、両耳を引っ張って持ち上げるものがあったりしたよね？

そんなこと可能なの？耳がちぎれちゃいそう💦

りと

そうですね、ちょっと想像しにくいですよね。

この時の判決では、やはりその点が懸念されたのか原告の主張する体罰の怪我は認められませんでした。

また、訴えの本筋でもあるPTSDについても、自宅療養中のKくんが学校でサッカーをする姿が多くの人に目撃されており、体罰による恐怖で学校に行けないという訴えとの矛盾が指摘されたことなど、認められなかったようですね。

しかしこの第一審判決を不服とする児童原告側は、福岡高等裁判所に5,400万円の損害賠償を訴え出て控訴します。※福岡市は附帯控訴(相手側の控訴を受けて、一審判決を自分側により有利な判決を求めるもの)。

当初、この控訴は一審と同じく福岡市とA先生本人に起こされていましたが、Kくんが

『先生がこの裁判に加わらないんだったら、本人尋問に出る。』

と言い出した事により、原告はA先生への訴えを取り下げたのです。

りと

ただし、A先生はこの後も福岡市の補助参考人として残り、裁判から完全に手を引いたわけではありません。

当初、教師Aは教職を去るべきだ！とまで言い放ったにもかかわらず、当事者を裁判から外すその行動をA先生の代理人は強く批判しています。

やまこ

そりゃそうだ…。

我が子を傷つけた張本人を、息子が望んだからと言って追求しない何てことあるのかしら？

Kくんの本人尋問が非公開で行われた後、裁判所は双方に和解を勧告しますが、損害賠償請求の金額が折り合わず上手くいきません。

和解が出来なかった事で、控訴審判決は一審判決と同じ結果へと着地しました。A先生への訴えは取り下げられていますので、賠償責任は福岡市のみとなりますが、しかし裁判所が下した賠償額は330万円と当初の金額から大幅に下げられています。

りと

この判決については双方上告しませんでしたので、この事件は一応の解決を見た事になりますね。 

やまこ

なんだか釈然としない部分も多いんだけど…。

一部認められた『教師による体罰』って、A先生は結局何をしたの？

りと

Kくん側が主張した体罰のアンパンマン・ミッキーマウス・ピノキオですが、これらはそれぞれ頬・耳・鼻に触れるスキンシップでした。

このスキンシップは、A先生が先輩に習った低学年への注意方法なのですが、『児童に触れた』事には違いないため、校長から謝罪を求められた際謝ってしまったんだそうですよ。 

つまりこの事件の真相とは、一審二審ともに原告側の供述が認められる事はほぼ無く、中には虚偽申請とみられる内容も多く含まれていたという事です。

A先生が差別発言をしたとされる『祖先にアメリカ人がいる』という話や、K母のアメリカで過ごした幼少期の話も、彼女の虚偽なのか妄言なのか、そんな事実は見つかっていません。

控訴審では焦点をPTSDに絞ったにもかかわらず、Kくんの主治医は彼の症状を母親から伝え聞くのみでろくな診察をしておらず、第一審に続き『診断は誤りである』との裁決が下っています。

やまこ

じゃあこの事件は、A先生は保護者の勝手な言い分や嘘に巻き込まれただけって事？

りと

そうですね。この事件に関しては『殺人教師』なんてものは存在していない、という事になりますね。

 

『でっちあげ』のその後について

世間をも巻き込んだA先生へのいわれのない苦情は、裁判を経てほとんどの事が原告側による『でっちあげ』だと判断されました。

しかし、A先生が児童をいじめたとして教育委員会が下した『停職6か月の懲戒処分』は既に実行されていて、彼は日本で初めて『児童をいじめた教師』として認定されている事に変わりありません。

やまこ

やってもない事が事実として記録に残るだなんて許されないよ…。

これについては、福岡市人事委員会に取り消しを申し立て、A先生の懲戒処分は無事処分取り消しが決まっています。

教師を追い込む保護者・モンペ、いわゆるモンスターペアレントは、その呼び名が確立していない時代にも存在していましたが、しかしK母のように明らかな嘘で先生を貶め、裁判にまで持ち込んだケースはまれなのではないでしょうか？

この事件に関しては、保護者の一方的な嘘に対して、きちんとした調査をすることなくA先生に謝罪させて終わらせようとした学校側と、事件の内容を精査する事なく報道したマスコミの責任の重さについても問題になりました。

やまこ

地下鉄サリン事件の時も、マスコミの報道で大きな被害を被った被害者の方がいらしたわよねぇ。

りと

そうなんです。

マスコミの暴走や誤報、昨今では偏向報道も定期的に話題に上がりますよね。

『知る権利』を声高に主張する媒体もありますが、それ以前に『正しい情報』を世に出す事の方が大切です。

報道原則には客観性と公平性、そして正確性が含まれている。この原則を蔑ろにしない報道姿勢を大切にして頂きたいものですね。

 

映画【でっちあげ】のあらすじとキャスティングまとめ

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⠀⠀⠀⠀⠀緊迫のキャラクターポスター
⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀＆コメント解禁
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明日からは各劇中人物ごとに
順次投稿していきます。
本アカウントをぜひご注目ください#映画でっちあげ .(.)公開… pic.twitter.com/2b0JdoQBWk

— 映画『でっちあげ』公式【6.27公開】 (@detchiagemovie) April 7, 2025

やまこ

日本初の『教師による児童いじめが認定』された実在の事件を映画化！

しかも監督は三池監督とくれば、なんだか底知れぬ恐ろしさが漂う作品になりそうだよね。

 

映画【でっちあげ】のあらすじ

今から20年以上前の2003年、小学校教師・薮下誠一(綾野剛)は受け持ちクラスの児童にいじめをしている、として告発されました。

児童・氷室拓翔(三浦綺羅)の母・氷室律子(柴咲コウ)が訴え出た体罰の数々は、そんな言葉で終わらせられるほど甘いものでは無く、凄惨な虐待と言った方がしっくりくる内容ばかり…。

氷室家からの訴えに戸惑う誠一ですが、そんな彼を蚊帳の外に置くようにして事態は悪化の一途を辿ります。

この騒動を聞きつけた週刊春報の記者・鳴海三千彦(亀梨和也)が、『殺人教師』というセンセーショナルな言葉でもって、誠一の顔写真を載せ更には実名での報道に踏み切ったのです。

これにより、誠一の周辺は普通の生活を送ることすら困難なほどマスコミの餌食となっていきます。

どこにいても追い掛け回され、容赦なくぶつけられる誹謗中傷に停職処分と、想像もしていなかった日々が誠一に襲い掛かってくるのです。

『教師による児童への自殺強要』とまで書き立てられた誠一は孤立無援の状態でどんどんメンタルが削ぎ取られ、心身ともに追い込まれていく一方、我が子を守るために立ち上がった母・律子には応援の声が多く寄せられ、遂には550人もの弁護団がついて裁判をおこすことになりました。

世間での誠一の評価は地の底まで堕ちており、誰もが律子たち親子の勝利を確信していた裁判ですが、しかし法廷ではその予想が大きく覆されます。

誠一が身の潔白を主張し、すべて『でっちあげ』であるとして自己に寄せられている罪を完全に否定したのです。

果たして、この裁判はどんな決着を迎えるのでしょうか？

 

実話を映画化した【でっちあげ】のキャスティングは実力派揃い

映画【でっちあげ】の主人公・薮下誠一を演じるのは、数々のキャラクターを自在に表現してこられた綾野剛さんです。

やまこ

綾野さんと言えば、ヤクザものの演じ分けが凄いよね！

2024年の映画【カラオケ行こ！】やNetFlixドラマ【地面師たち】みたいに、良い人なのか怖い人なのか分かんなくなる魅せ方が本当にすごいと思う！

りと

そうですね。

2023年公開の映画【最後まで行く】なんて、警官でありながら裏工作しているキャラクターの狂気が画面を圧倒していましたもの。

綾野さんのキャスティングには、プロデューサー・和佐野健一さんが

『残酷にも弱々しくも、受け手によって印象を変えられる表現力がある！』

として熱望されたんだそうです。

2009年公開【クローズZARO】で綾野さんと作品を作られた三池崇史監督もまた、『もっともっと乱高下する綾野剛が見たい』と期待されたそうですから、制作側の期待値の高さがうかがえますね。

誠一を追い込んでいく氷室律子役は、三池作品3作目となる柴咲コウさんです。

やまこ

予告動画で見る柴咲さんの表情は、子供を守りたい一心の母親そのもの。

だからこそ、『でっちあげ』という言葉に観客は疑問を浮かべるのかもしれないね。

りと

柴咲さんの必死の瞳に『でっちあげ』ている要素を見いだせないんですよね。

わざと『』でっちあげ』ているのか、それとも律子にとっては『真実』なのか…。

それが分からないから、柴咲さんの一挙手一投足が気になるかもしれませんね。

柴咲さんご自身はインタビューにて

『律子は自分の言葉を疑っていない。真実だと思っている』

とお話しされています。自分は間違っていない、と自分を信じている律子には『なにを考えているのか分からない不気味さもある』として、髪を伸ばしたり、学校のシーンでは瞬きをしないなど様々な工夫をされていました。

そして、誠一の実名と顔写真を載せた週刊記者・鳴海三千彦には、亀梨和也さんがキャスティングされました。

やまこ

亀梨さんって最近ホラーやサイコサスペンスなど、色んな役にチャレンジしてるよね。

りと

かなり昔の作品ではありますが、山下智久さんとのW主演ドラマ『野ブタをプロデュース』でも、クラスの人気者を演じながら徐々にその仮面がはがれていく様を演じ切っていらっしゃいましたよね。

アイドルとしてのイメージ強いかもしれませんが、どっしりと役に向き合う俳優としてのキャリアをしっかり積まれています。

映画【でっちあげ】の亀梨さんは、作品を大きく搔き乱すキャラとして、途中参加という形で撮影に挑まれました。

主演作が多い亀梨さんにとっては、途中で現場に加わる難しさなどもお話しされていましたが、誠一と鳴海がぶつかるシーンでは本当に雨が降り注ぎ、現場は嵐のような様相だったとのこと。

亀梨さんと綾野さんの熱演にお天気もまた引っ張られたのかもしれませんね。

りと

主要キャスト3人以外にも、三石研さんや北村一輝さん、小林薫さんなどベテランの俳優さんも沢山キャスティングされています。

やまこ

うわ～豪華！

こんな俳優さんたちをまとめ上げて作品にしたのが三池崇史監督なのね！

りと

三池監督というと、バイオレンスやホラー作品のみならずコメディ作品なども手掛けてられています。

しかし、やはり三池ファンの多くが好むのは、監督が作る底知れない不気味さを漂わせる作品なのではないでしょうか。

映画【でっちあげ】はまさしく、先の展開が読めない作品となっていますね。

 

まとめ

先日のでっちあげの試写会
やっと咀嚼したので
実話を元にしているということが何よりの恐怖だと思いました。
役者さんたちの演技力の高さも相まって、サービス業の一旦で生きてる自分としては、そういうケースは、あり得る話だなと思い、明日は我が身とより恐ろしくなった。 pic.twitter.com/1o2HnDth8p

— なんでも洗うクマ (@BEAR666Hallowee) May 21, 2025

今回は、実話を映画化した事で話題の【でっちあげ】について、元ネタとなった事件の詳細とその後について、殺人教師は存在したのかを調べてみました。

映画【でっちあげ】は、2003年に福岡市で起きた教師による児童いじめ事件をルポタージュにまとめた『でっちあげー福岡「殺人教師」の真相』を元ネタとしています。

このルポを書かれたのはジャーナリストの福田ますみさん。福田さんは映像化された【でっちあげ】をご覧になって

『こだわりの映像によって、細部まで表現された学校現場でのありえない狂気がリアルに描かれていた。』

とコメントを残されており、それはつまり事件当時の狂騒がしっかりと作品に映し出されているという事なのでしょう。

2003年の福岡市を騒がせた事件について、『殺人教師』は存在していませんし、裁判にまで発展した名誉棄損やPTSDの発症は認められていません。

しかし、この『殺人教師』という強い言葉で世間に晒され、仕事はおろか生活すらまともに送れない程追い込まれた教師が存在するという実話を、覚えている方はどれくらいいらっしゃるでしょうか？

毎日あちこちで様々事件が起こる日常では、テロや災害など大きな被害の出たニュースしか覚えていない、という方も少なくないと思います。

しかし実際は、人々の記憶に残らない事件にも被害者はいて、その後の人生の立て直しにもかなりの時間を要するという事実を忘れてはいけません。

映画【でっちあげ】は、そのタイトル通り、作井・無作為関係なく『でっちあげ』られたことによって、人生を大きく振り回される危険性は誰にでも起こりうることだ、と警鐘を鳴らしているようにも感じられませんか？

報道に携わる職種の方は、媒体は何であれしっかりとした取材を重ね、根拠を持ってお仕事されるべきだろうと思いますし、またコトの精査をマスコミにばかり押し付けるのではなく、我々受け取る側の一般人もしっかりと情報を集めて、信用に足るもののみ取り込む努力が必要でしょう。

映画【でっちあげ】は、2025年6月27日公開です。

『でっちあげ』のその後である今を生きる私たちが同じ事を繰り返さない為にも、あの頃あの場所で何が起きていたのか、自分の目で確認しに行ってみませんか？