福田村事件の映画のロケ地の神社はどこ？現場に慰霊碑があるのか場所も地図付きで紹介

映画『福田村事件』は、100年前の日本で起きたとても残酷で残虐な殺人事件を題材にした作品です。

この事件は、千葉県東葛飾郡福田村（現・野田市）で起きた事件でした。

この映画について、撮影が行われたロケ地や神社、そして事件現場に慰霊碑はあるのかなど、100年もの時を経て、無残な最期を遂げた行商人の姿を描いた作品を調査していきます。

今回は、映画『福田村事件』のロケ地の場所や、神社など事件が起こった現場に慰霊碑はあるのか、またどのような事件だったのかを紹介しましょう。

福田村事件の映画のロケ地の神社はどこ？

福田村事件は、1923年9月1日に発生した『関東大震災』のわずか5日後の9月6日に起こった事件でした。

そもそも、この事件はどのようなものだったのでしょうか。

ここで、大まかな映画『福田村事件』の内容を振り返ってみましょう。

残虐極まりない事件でした。

にも関わらず、犠牲者に謝罪も賠償もなかったこともあり、2000年3月に香川で「千葉福田村事件真相調査会」、千葉では7月に「福田村事件を心に刻む会」が結成されました。

映画のロケ地と神社

出典元：https://www.asahi.com/

映画『福田村事件』のロケが行われたのは、京都府を中心に行われていたようです。

上の画像は、映画の撮影でクランクインした（左から）田中麗奈さん・野田達也監督・メイキング映像担当の綿井健陽さん・井浦新さん。

撮影が行われた場所は、『京都府京丹後市』です。

事件が起きたのは千葉県なので千葉でも撮影は行われたと推測できますが、現在のところ京都府以外のロケ地の詳しい場所は分かっていません。
(京都府以外のロケ地が分かり次第、追記します）

ロケ地の神社は「三ツ堀香取神社」？

福田村事件が起きた場所は、福田村三ツ堀の利根川に近い「香取神社」ということが分かっています。

調べてみたところ、この事件現場と思われる神社は「三ツ堀香取神社」です。

この香取神社と呼ばれる神社は、利根川沿いに複数あります。

その数20社ほどですが、事件が起こった神社は三ツ堀であることから、この神社で間違いないでしょう。

本当に小さなポツンとあるような神社で、このようなところで本当にそんな無残な事件が起こったのかと思うほどです。

これも、関東大震災で出回った朝鮮人についてのデマが流れたせいで何の罪もない9名の命が絶たれました。

それだけではなく、犠牲者を弔う動きもなかったというのがどうにも憤りを感じます。

現場に慰霊碑があるのか場所も地図付きで紹介

前述もしましたが事件現場に慰霊碑が建てられたのは、2003年9月6日にようやく犠牲者追悼の慰霊碑が建てられました。

事件からなんと80年を経過して、ようやくです。

その慰霊碑が建てられた場所を、地図でご紹介します。

80年目にしてようやく慰霊碑が建立

事件が起こった当時は、犠牲者の弔う動きが見えなかったわけですが、ようやく死者の無念が報われたかと思います。

もっと早くこうした動きが出来なかったのかと思うと、申し訳ない気持ちにさせられますが、しかしこれで1つの区切りが着いたのかなと感じずにはいられません。

この慰霊碑が建てられたのは、まさに事件が起こった利根川沿いの三ツ堀にある霊園です。

事件が起きた場所なので、ここがメインの慰霊碑となりますが、実は福田村事件の慰霊碑は1つではありません。

次の章で、その真相を探っていきましょう。

慰霊碑は1つではない？

事件が起こった千葉県東葛飾郡福田村（現・野田市）に建てられた慰霊碑が本拠地になりますが、実は群馬県にも慰霊碑があるようなのです。

場所は『群馬県藤岡市』です。

実は、群馬の地に福田村事件のもう1つの慰霊碑があると分かったのは、今回の映画『福田村事件』の脚本・監督の森達也さんの「かくも完璧な世界」という記事からでした。

その記事の中で、森達也監督は映画『A2』の撮影のために群馬県藤岡市に毎週のように通っていたといいます。

そこは、「オウムの最大拠点」と呼称された施設があった地だそうです。

そこで親しくなった元・オウム信者と施設の周囲を散策していたとき、この福田村事件の慰霊碑が建っていたと書かれています。

実は、「怪しい朝鮮人」と疑われ虐殺された人は福田村の今回の行商談だけでなく、横浜・東京・千葉・埼玉・群馬などで虐殺事件が多発していました。

中でも群馬県が1番酷かったようです。

オウム信者でさえ知らなかった慰霊碑があり、ぞっとしたと語っていたそうです。

福田村がクローズアップされたのはなぜ？

福田村事件については前述もしました通り、福田村のみならず関東地方の5県で残虐極まりない事件が発生していました。

中でも前章のように群馬県が最も激しい暴動だったといいます。

ではなぜ、福田村の香川からの行商団9名の残虐事件だけがクローズアップされたのでしょう。

関東大震災で混乱していたから

福田村事件が起きたのは、1923年9月1日に発生した『関東大震災』が引き金になっているのは明白です。

この大地震があったから福田村事件が起きたともいえるでしょう。

その事実を裏付けるように、この事件が発生したのは関東大震災からわずか5日後の9月6日でした。

わずか5日後です。

多くの建物・家屋が崩壊し、大火災を起こし、死者はなんと約10万5,000人（内閣府防災情報調べ：https://www.bousai.go.jp/）ともいわれ、当時は誰もがパニックに陥っていたはずです。

さらには「朝鮮人が武器を持って襲ってくる」「朝鮮人が井戸に毒薬を投げた」などのデマが広まり、人々をさらにパニックに陥れてしまいました。

そのような最中に丁度三ツ堀を差し掛かった香川からの行商団が、怪しいと疑われます。

もう当時は、誰もが怪しく見えていたことでしょう。

しかし、この行商団が通りかかっただけでなぜ怪しかったのでしょうか。

「讃岐弁」が片言の日本語と思われた？

この行商団が怪しいと疑われた最大の理由は「讃岐弁」でした。

関東大震災が発生した当時はまだ、現代のようにテレビやSNSなどの情報媒体が普及していません。

それゆえ、四国の香川県の人間がどんな言葉を話すのかは知らない人も多かったはずです。

自警団に囲まれた際、行商人とそんな会話があったと生存者が証言しているようです。

ただでさえ、気が張り詰めており戒厳令が出された状況なので、日本人だといわれても早々信用できるものではなかったと考えられます。

しかし、それだけで幼児や妊婦がおりながらも何の迷いもなく虐殺したことには、到底理解は難しいでしょう。

映画『福田村事件』の森達也監督は、記事の最後にこう締めくくっています。

森達也監督は、自分たちにもこうした一面があるということを言いたかったのかなと思います。

福田村事件まとめ

今回は、映画『福田村事件』について、そのロケ地や神社などの現場に慰霊碑はあるのかなどの情報を紹介しました。

このような残虐な事件が起きた背景には、『関東大震災』という日本国で自然災害史上最悪の災害だったといえましょう。

この災害がなかったら、香川の行商団の9名は無残な死に方をせずに済んだと思います。

もっといえば、災害があっても朝鮮人のデマが広まりさえしなければ、これほど殺気立つことはなかったかもしれません。

映画『福田村事件』では、私たちが決して目をそむけていはいけない現実を津多用途していると思います。

そして、映画を観たあとでも映画の撮影が行われたロケ地や神社などの現場で、慰霊碑を拝んできたいものです。