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インサイド・ヘッドのカナシミがうざい?カナシミの役割や性格についても徹底解説

kuroneco
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2015年に公開されたディズニー&ピクサーの【インサイド・ヘッド】が、この夏パワーアップ!【インサイド・ヘッド2】となって8月1日に公開となります!

11歳の少女の脳内で、彼女を幸せにするために5つの感情たちが奮闘する【インサイド・ヘッド】ですが、しかし公開当時によく聞かれたのは『カナシミ』という悲しみの感情を担当するキャラクターに対する辛辣なコメントでした。『うざい』『戦犯』といった強い言葉で嫌われてしまったカナシミとは、作品内においてどんな役割を担っていたのでしょうか。

何故カナシミは『うざい』と言われ多くの方に嫌われたのか…そこには、ディズニー&ピクサーが本来伝えたかった作品の主題が上手く伝わらなかったことが一因となっているようです。

そこでこの記事では、カナシミの何が『うざい』として捉えられてしまったのか、カナシミが持つ本来の役割を調べ、悲しみの感情が人間にとってどんな影響を及ぼしているのかについて調べてみました。

 

インサイド・ヘッドのあらすじとカナシミの役割

脳内の感情たちの活躍を描く作品は日本映画の【脳内ポイズンベリー】や韓国ドラマの【ユミの細胞たち】などがありますが、恋愛を主体においたこの2作と比べて【インサイド・ヘッド】は成長期の子供の脳内をモデルとしています。

大人と違って揺れ動きやすい子供の感情を【インサイド・ヘッド】はどう描いていたのでしょうか?

 

2015年公開の【インサイド・ヘッド】あらすじと結末

11歳の少女ライリーの脳内には

  • ポジティブで楽観的な『ヨロコビ』
  • 常に悲観的な『カナシミ』
  • 怒りっぽく自他に厳しい『イカリ』
  • せっかちで過保護な『ムカムカ』
  • 怖がりで慎重派の『ビビリ』

という感情を司る5つのキャラクターたちがいて、彼らは日夜ライリーの幸せのために活動しています。

そんなある日、ライリーに転機が訪れました。父親の仕事の関係で住み慣れたミネソタ州から、大都会サンフランシスコへの引っ越しが決まったのです。

環境の大きな変化に戸惑いながらも、なんとか慣れようとするライリー。脳内の彼らも彼女を幸せにすべく意見を出し合いますが、常に悲観的なカナシミは輪を乱しがちで、ヨロコビにはそれが気に食わず5つの感情たちにはまとまりがありません。

そんな中カナシミが記憶のボールに触ってしまった為、ライリーの転校初日のタイミングで彼女はクラスメイトの前で涙してしまいます。大慌ての脳内で揉みあうカナシミとヨロコビですが、誤って記憶ボールの整理をするチューブにより、2人揃って吸い出されてしまいました。

彼らが吸い出された先の記憶貯蔵庫で出会ったのは、小さな帽子をかぶったピンクの象。ビンボンと名乗ったライリーのイマジナリーフレンドであるその象は、2人を司令室に戻すために命懸けで協力してくれます。

ヨロコビとカナシミがビンボンの手を借りて司令室を目指している頃、ライリーの感情を安定させられないイカリたちは、彼女の幸せの記憶が詰まったミネソタ州へライリーを帰そうと思いついてしまいました。

感情が安定しないライリーは感情・性格の島である様々な島が破壊されてしまい、無感情な状態で高速バスに乗りテキサスを目指してしまうのです。

そんなタイミングでカナシミとヨロコビが司令室に戻ってきます。

司令室に戻るまでの過程で、ライリーの記憶には喜び一色のポジティブ感情だけではなく、悲しみがあるからこそ生まれた喜びがある、自分たちは表裏一体だと知ったヨロコビは、このピンチに感情の指令をカナシミに任せる事にしました。

その結果ライリーに悲しみの感情が生まれ、バスが高速に乗る前に彼女を降ろす事に成功したのです。

こうしてライリーは両親に胸の内を明かす事が出来、その悲しみを受け止めて貰えた喜びにより破壊されたすべての感情・性格の島を再び取り戻したのでした。

 

脳内をつかさどる5つの感情。カナシミの役割と性格とは

【インサイド・ヘッド】では『ヨロコビ』『カナシミ』『イカリ』『ムカムカ』『ビビリ』の5つのキャラクターが描かれていますが、様々な感情の中で突出して後を引く感情は『悲しみ』だという事をご存じでしょうか?

人間の感情の中で悲しみは、苛立ちや退屈といった同じネガティブイメージの物と比べて240倍も長く続くのだそうです。ベルギーのフィリップ教授とサスキア教授の共同研究で発表されたこの研究結果は【インサイド・ヘッド】の作中でも活かされており、『思い出の玉』という重要な記憶が詰まったボールも、カナシミが触れた時だけ青く染まります。

こうして、人間は感情の中で悲しいという気持ちを引きずりがちだという事が学術的根拠をもって示されているため、作中におけるカナシミの性格は『いつも憂鬱』『常にマイナス思考』といったネガティブが常態化しているのです。

そんなカナシミですが、その役割はとても重要なものとなっています。

【インサイド・ヘッド】の中でも描かれていましたが、人は何か悲しみを抱えた時、周囲の人の支えや慰めにより立ち直れる事がありますよね?それは、悲しみをきっかけに喜びを生んでいるという事でもあります。

やまこ
やまこ
つまりカナシミの役割は、周囲の人との関わり合いを深めたり繋がりを強固なものにするものなんだね。

 

『うざい』『イライラする』と言われたカナシミの存在意義

やまこ
やまこ
カナシミって、なんでこんなにも嫌われちゃったんだろうね?

 

戦犯とまで言われたカナシミへのネガティブな口コミの数々

【インサイド・ヘッド】で寄せられた感想の中で『面白かった』や『感動した!』というポジティブな意見以上に目立ったカナシミへの憤り。そんなにも人々の感情をマイナスイメージに傾けた理由には、

女性
女性
自分では何の行動も起こさないのに、人の意見には悲観的な意見ばかり言うのが本当に嫌だった。場を乱すだけ乱す戦犯みたいな言動にイライラする。
男性
男性
後ろ向きなカナシミがうざくて、でも自分にも似ている部分があって自己嫌悪。 

などが見られました。しかし違った見方の意見も少しありましたのでご紹介いたします。

女性
女性
カナシミがうざいっていうけど、私は悪意なく人を傷つけるヨロコビの方が引っ掛かったよ。天真爛漫なら何を言ってもいいわけじゃない。

と、ネガティブなカナシミに対するヨロコビの言動に引っかかった方もいらっしゃいました。

カナシミもヨロコビも、その感情を体現したキャラクターの為、遠慮なく発揮されるその言動が観ている人の気持ちを逆撫でしたのかもしれませんね。

 

原題と邦題の違いが生んだ?カナシミの役割への誤解。本当の存在意義とは

【インサイド・ヘッド】では、常に悲観的でネガティブなことしか言わないカナシミの立ち振る舞いが目立っていましたが、では悲しみの感情は人間には必要ないものなのでしょうか?

その答えは『NO‼』です。

作中でも、カナシミはヨロコビと表裏一体、お互いがお互いをカバーしあい高め合うような関係性として描かれていましたね。

人間は生きていれば必ず悲しみに暮れる事があります。その時、カナシミという感情が無かったら、吐き出し口を無くして気持ちの整理も付かなくなるでしょう。

悲しみはちゃんと悲しみとして消化し、その消化には誰かの支えや自分で立ち直った自己肯定感のような喜びが生まれるはずです。

それこそがカナシミの役割であり、本当の存在意義なのです。

そう考えると、この【インサイド・ヘッド】の感想がカナシミへの憤りで満ち溢れたのには、その役割への誤解があると考えられます。

タイトルの【インサイド・ヘッド】。こちら、原題は【Inside out】なことをご存じでしょうか?

『Inside out』とは、直訳すると『表裏・あべこべ』となりますね。しかし邦題の【インサイド・ヘッド】では『頭の中』という訳になってしまいます。この変化が多少の混乱を生んだのではないかと考えられるのです。

例えば最初から『インサイド・アウト』というタイトルであったなら、観客は『頭の中』だけに捉われる事は無かったのではないでしょうか?

もっと広い視点で鑑賞できたなら、カナシミの言動に苛立ちはしても、クライマックスに向けて描かれたその存在意義を、もっとすんなりとキャッチできたのではないかと思うのです。

タイトルは、そこからある程度の情報を拾ったり内容を想像したりと、作品の顔といってもよいもので、仮にこの作品が『インサイド・アウト』というタイトルであったなら、カナシミとヨロコビの表裏一体感や、脳内とライリーの関係性など、見方が変わったのではないかなと思います。

 

続編公開決定!【インサイド・ヘッド2】のあらすじ

そんな【インサイド・ヘッド】が、タイトルそのままに【インサイド・ヘッド2】として2024年8月1日に公開となります。

今度は、ライリーが少し成長して高校に入学する頃が舞台となりますが、彼女の成長を見守ってきたカナシミ達5つのキャラクターの前に、新しい感情・シンパイ達がやってきてまたひと騒動あるようです。

大人の感情であるシンパイは、幼少期よりライリーを支え続けてきたカナシミたちに

『君たちはもう必要ない。』

と言い切り司令室から彼らを追放してしまいました。これにより感情の嵐が巻き起こり、ライリーは自分の気持ちが分からなくなってしまいます。

記憶保管庫に辿り着いたカナシミやヨロコビたちは、そこにいたライリーの秘密の推しキャラクター・ランスとブルーフィー&ポーチ—に出会い、彼らと協力しながら再びライリーの元へ戻ろうと奮闘する物語。

そんなあらすじが公開されている【インサイド・ヘッド2】、今度はシンパイという新しいキャラクターも出てきますが、どうやらかなり強引な性質を持っているようですね。とはいえ、日常生活において心配という感情もまた切り離せるものではありません。

脳内であれこれと勝手なふるまいをしているように見える感情たちですが、しかし彼らの行動は全てライリーの為です。その事を忘れずに、今度はどんな展開が繰り広げられるのか楽しみに待ちましょう。

 

まとめ

【インサイド・ヘッド】で大きく嫌われ『うざい』とまで言われたカナシミについて調べてみましたが、その役割はそう単純なものでは無いことが分かりましたね。

悲しみという感情があるからこそ喜びが生まれ、またその感情を経験するからこそ他者の悲しみにも寄り添えるのだと思います。

悩んだり傷ついたりして、その悲しみからなかなか抜け出せないとき、そんな自分のうじうじとした感情もまた『うざい』と自己嫌悪に陥ってしまいそうになりますが、それもまた人間が成長するには必要なものだということが、この【インサイド・ヘッド】では描かれています。

前作ではカナシミにイライラした方も、その感情も自分の中にあってちゃんとした役割があるんだと思えれば、2024年8月1日公開の【インサイド・ヘッド2】では感情たちが愛おしく思えるかもしれませんね。

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